この文章を書いている時点でのEclipseの最新リリースビルドは「Eclipse SDK 3.1.2」ですが、Eclipseを日本語化するための言語パックの最新版は「Eclipse 3.1.1 Language Pack」です。
Eclipseのサイトの情報によると「Eclipse 3.1.1 Language Pack」は、Eclipse3.1.X系であれば動作すると記述されていたため「Eclipse SDK 3.1.2」にインストールしてみたところ、一応日本語表示はされますが、2点、注意事項があることが判明しました。
注意1:「FeatureOverlay」をインストールするとEclipseが正常に動作しない
言語パックは「NLpack1_FeatureOverlay-eclipse-SDK-3.1.1.zip」と「NLpack1-eclipse-SDK-3.1.1a-win32.zip」という二つのZipファイルで構成されており、Eclipseのサイトには「両方インストールしてください」との記述があります。
Eclipse3.1.1にこれらをインストールする分にはまったく問題は無いのですが、Eclipse3.1.2にこの言語パックをインストールすると、Eclipseが正常に動作しなくなる可能性があります。
原因は、言語パックを構成するファイルの一つである「NLpack1_FeatureOverlay-eclipse-SDK-3.1.1.zip」にあります。
このファイルはEclipseのfeaturesディレクトリを上書きし、国際化のためのpropertiesファイルを追加することで、Eclipseのフィーチャーを国際化するためのものです。しかし、Eclipse3.1.2に対してこのファイルを適用すると、Eclipseのfeaturesディレクトリ以下に不正なディレクトリが追加されてしまいます。
その結果、Eclipseの起動時にフィーチャーのロードに失敗してしまい、その影響によりEclipseにインストールされている他のプラグインやフィーチャーのロードにも失敗してしまい、Eclipseが正常に動作しなくなる、という問題が発生する可能性があります。
この問題は、言語パックを構成する2つのファイルのうち「NLpack1_FeatureOverlay-eclipse-SDK-3.1.1.zip」はインストールせずに、「NLpack1-eclipse-SDK-3.1.1a-win32.zip」だけをインストールすることで回避できます。
この場合、フィーチャーの日本語化は行われませんが、プラグインは日本語化されます。
注意2:言語パックインストールのタイミングの問題
以下の手順で言語パックをインストールすると、Eclipseが不完全な状態で日本語化されてしまいます。
上記の手順でEclipseを起動すると、ある文字列は日本語化されているのに、ある文字列は英語のまま、という状態になってしまいます。
ただし、この状態でEclipseを再起動すれば、今度は完全に日本語化されます。
この状態で再起動しても正しく日本語化されないことがあります。その場合は以下のコマンドでEclipseを起動すれば確実に日本語か出来ます。
> eclipse.exe -clean
致命的な問題ではありませんが、無用の混乱を回避するには、
- 言語パックをインストールしてから
- Eclipseを初めて起動
するのが良いです。こうすると、Eclipseの起動直後から正しく日本語が表示されます。