ダビンチ・コード

ダ・ヴィンチ・コード〈上〉

ダ・ヴィンチ・コード〈上〉


最近は技術系の本ばかり買ってたので、たまにはフツーのものを読む。フツーにおもしろい。たま〜に世界史の授業を受けてるような錯覚に囚われる場面があって眠かったですが。そのへんは適当に読み流してしまえば、テンポが良くてGWには最適な小説なのでは。文章の美しさ、とか、語りの上手さ、みたいなものを楽しむ類のものではない。謎解きと話の展開を楽しむ感じで。暗号解くのは、単純だけどおもろいやね。

東京奇譚集

東京奇譚集


ダビンチ・コードと並行して読み返し。短編集。

読みながら思ったのだけど、村上春樹の文章の気持ちよさって、風景の描写が適当に端折ってある点にあるんじゃないかなと思った。で、それと同時に、特定の一点に関する風景の描写に関しては割りと細かく書いてあると。

読者側からすれば、風景描写が適当に端折ってあるので、風景に関しては読者が適当にパッと頭の中でイメージすることが可能と。で重要な部分は細かく書かれているから、だいたい筆者のイメージどおりの風景が補足的に加えられる感じ?

ダビンチ・コードを読んでいると、時々「え〜っと、なになに、教会は十字型の間取りになっていて、横に伸びる廊下と縦に伸びる廊下が交差するところに祭壇があって、、その真上が丸屋根になっていて・・床は花コウ石で出来ていて・・ん、花コウ石って何色?」みたいな感じで、風景のイメージを頭の中に構築するのに、一瞬考えてしまう感じ。

で、村上春樹の場合は、なんか適当に「教会の廊下を進むと祭壇が目の前に現れた」見たいな事がポロッと書いてあって、「あぁ、教会の奥に祭壇があるんや。まあ教会って言えば天井が高くて、床が大理石っぽい感じで、座るところがずらっと並んでて・・」、という感じで、読者が適当に頭の中で自分勝手な風景をパッとイメージできる、そんな感じ。

これによって、読者に「え〜っと」のタイミングを与える間もなく話が進んでいくので、読者は気持ちよく物語を読み進めることが出来るんじゃないか、と考えたわけです。

とはいえ、風景描写がビッシリ書いてあるのが好き、という人も多々いると思うし、「嘘こけ!村上作品でもビッシリ風景描写してるやろ!」というツッコミもあるかと思いますが、、まあ個人的に「気持ちの良い文章」ってなんだろなと思って書いてみた。以上。