デブのサミしがりやのためのイベントDevelperSummit2009に行ってきた
デブのサミしがりやが集うイベント、Developer Summit2009に行ってきました。実は最初はまったく行く気はなかったのだが、RubyやiPhone関連のセッションもあるとのことで、急遽行く事にした。以下簡単なレポ。
実例で学ぶObjective-C2.0とGUIの関係(萩原剛志さん)
まずはiPhone関連のセッション。スピーカーは詳細Objective-Cの著者の萩原剛志さん。Objective-CとMacOSの歴史などを紹介した後、ObjC特有のターゲットアクションパラダイムについての説明。言語の特徴を紹介します、という感じの話。前半の歴史の部分が面白かった。後半は言語の説明だったのでだいたい既知の内容であった。ちなみに萩原さんは京都産業大学の教授をやっているそうな。やっぱ学術関係はMacが普及してるのね。
- 作者: 荻原剛志
- 出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ
- 発売日: 2008/05/28
- メディア: 大型本
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iPhone開発者座談会(高橋さんほか)
NatsuLiphone、2tchなどといった有名どころのiPhoneApp開発者による座談会。20分くらいでなんとなく内容は読めたので、申し訳ないが途中でMatzのトラックにコソコソと移動した。セッション自体はすごく好評だったようです。
未来へつながる言語(まつもとゆきひろさん)
Matzがプログラミング言語についていろいろ語るセッション。言語が進化には3つの要因がある。(1)簡潔さ。BASICの頃は制御構文はIFとGOTOくらいしか無かったし、グローバル変数しかなかった。それが今度はC言語などの登場によりサブルーチンや関数が使えるようになった。さらに構造体やオブジェクト指向がでてきた。こんな感じでどんどん抽象化が進む=記述が簡潔になるのが、言語の進化のひとつの要因。(2)ハードウェアの進化。CPUのクロック数向上やMany-Core化などが言語デザインに影響を与える。(3)温故知新。今使われている言語のアイデアそのものはずーっと昔からあったもの。FP->StandardML->OCaml,Haskellだとか、Lisp->SmallTalk->Rubyだとか、prolog->erlangだとか。今度はAPLやRのようなベクタ処理に強い言語がくるんじゃないかなとのこと。
セッション終了、同僚にばったりあう。その後Ask the SpeakerコーナーでMatzと少しお話できた。うちの会社の松江事務所についての話などする。
Ruby1.9の現状と導入のポイント(yuguiさん)
Ruby1.8,1.9の開発体制から1.9への移行ポイントについて。詳細はのちほど。理論立てて話をすすめてくれるのでとても聞き易い。
クラウドプラットフォームの実際(SalesForce,岡本さん)
Force.comに関する話。SalesForceもGoogle App Engine的なサービスをやっていたのね。知らなかった。GAEとかだと開発はSDKを落としてローカルで進めるのが基本だが、Force.comはすべてブラウザ上でDBの構築から画面のコーディングまでをやる、ってところが一番の違いっぽい。正直ブラウザで全部のApexコードを書くのはきつい気もするが、なんにせよ、よく作ったな〜と関心。Force.com上で作ったアプリはそのままSaaSとして売れる、ってところがなかなかいい感じな気がする。需要があるかはわからないけど。ともかくベンダー臭はすごくあったけど、それでもおもしろかった。
自律型移動ロボットのソフトウェア技術(MIT桑田さん)
今日一番面白かったセッションかも。DARPA(アメリカ高等国防研究所)主催のロボットカーの技術開発目的のコンペに、MITチームの一員として参加したときの報告。砂漠や市街地で無人の車を走らせて、うまくコースをたどりながらチェックポイントを通過することを競うコンペ。SUVカーに40コアのブレードクラスター、大量のセンサ、ジェネレータ、UPSを搭載し、プログラムで制御する。狭い道幅をどうやって通過するか、どうやって道路、縁石を判別するか、障害物や他の車に対していかに対処するか、などなど様々な課題にいかにして対処したか、という話。制御プログラムの構造なども詳しく紹介。各モジュールをテストし易いようにうまいこと設計されていた。使用言語はC言語、python,java。練習場の確保がいかに大変だったか(白線の代わりに小麦粉をまいてたら、鳩がたくさん現れてまさに不確実性のたかい環境となったwなど)、世界初のロボット自動車事故が発生したとか、とにかく最初から最後までおもしろすぎる話だらけだった。憧れまくりでした。
以下参考ページをうp。今度ちゃんと見てみよう。
http://grandchallenge.mit.edu/wiki/index.php/Public
http://www.journalfieldrobotics.org/Home.html