「半島を出よ」を読んだ

半島を出よ〈上〉 (幻冬舎文庫)

半島を出よ〈上〉 (幻冬舎文庫)


半島を出よ〈下〉 (幻冬舎文庫)

半島を出よ〈下〉 (幻冬舎文庫)


2年前くらいに上巻を途中まで読んで挫折したのだが、日比谷図書館で下巻を見つけたのでなんとなく借りて続きを読んでみた。おもろい!日本財政破綻して国際的孤立をしている中、突如500名の北朝鮮の反乱軍が福岡に上陸し、福岡ドーム周辺を占拠、日本政府は九州-本州間を封鎖、反乱軍は日本政府に対し、攻撃を行った場合は日本各地でテロを起こすと宣言、後続の12万人の反乱軍に対して何も出来ない日本政府、一方で社会的に孤立した少年たちのグループが占領軍への攻撃を思いつく・・といったような内容。
北朝鮮反乱軍、日本政府、少年グループと、3つの視点から物語が進行する。北朝鮮の独特の行動や文化、戦闘の描写がすごい。また少年グループが反乱軍に攻撃を仕掛けるくだりのところがすごい。高性能爆弾、発破、ヤドクガエル、ハエ・・!最高に気に入ったのが「V型成形爆破線」です。すごすぎるぜ!
村上龍の作品といえば、麻薬・セックス系、青春系、対談、エッセイ系、そしてハードボイルド系の3つのいずれかに分類できると勝手に思っているんですが、「半島を出よ」はハードボイルド系かな?『コインロッカー・ベイビーズ』『愛と幻想のファシズム』『五分後の世界』『希望の国のエクソダス』あたりの並びか。
下巻の巻末に参考文献一覧が載っているのだが、その量の多さにびっくりした。参考文献のページだけで14ページもある。濃い小説を書くにはコレくらいの情報量が必要なんだな。圧巻。
GWだったので久しぶりに長編小説でも読んでみたが、非常に良かった。仕事のこととか、ソフトウェアに関することを一切忘れて、じっくりと本を読む、ってかなりの贅沢だと思いました。全体的に良きGWであった。