裁判の傍聴に行ってきた

2年前くらいに下記のマンガを読んで以来ぼんやりと傍聴に行ってみたいなーと思っていたが、ようやく行ってきた。

裁判長!ここは懲役4年でどうすか 1 (BUNCH COMICS)

裁判長!ここは懲役4年でどうすか 1 (BUNCH COMICS)

今日行ってきたのは東京地方裁判所。事前の調査によると地裁&刑事事件、ってのが一番分かりやすくておすすめだよー、ってことで東京地裁に決めた。(以下、写真はすべて参考写真)

f:id:kenmaz:20100109084233j:plain

場所は霞が関の駅すぐ。玄関に入るといきなり空港のようなセキュリティゲートがある。ここでカバンの中身チェックが行われる。

無事ゲートを通過すると、次はロビーにある開廷予定表を確認。テーブルが並べてあって、その上にバインダーで閉じられた予定表があるので、それを見る。

予定表には

  • 部屋番号
  • 開始終了時間
  • 罪状
  • 被告人氏名
  • 審理予定(新件、審理、判決)

などが書かれているのでよく確認する。時間はだいたい13:00-14:00とか1時間刻みくらい。たまーに10:00-17:00とかもあったりする。ちなみに簡易裁判だと5分で終わったりもするらしい。一番注目すべき点はたぶん罪状。今回見た感じだと、

  • 暴行
  • 詐欺
  • 窃盗
  • 覚せい剤
  • 業務上横領
  • 強姦致傷、わいせつ行為

あたりが多い印象。1件だけ殺人があって、それを傍聴するには傍聴券という整理券みたいなものが必要。傍聴券は朝早く並んでゲットするんだろうな。今回は無理っぽかったので諦めた。

ざっくりスケジュールを決めたらエレベータに乗って法廷に向かう。ちなみに予定表は1Fにしか無いので、メモっておくと良い。今回は筆記用具持ってきていなかったのでiPhoneのメモアプリを使うしかなく面倒だった。予定表自体をカメラで撮影するのも気が引けたので・・。 ということで今回は以下の三件を傍聴することにした。

詐欺未遂、強盗、交通法違反

詐欺で金を取ろうとして失敗したので、隙をついて現金を盗んで車で逃げた、という事件。被告人は、詐欺で取った金を輸送する役割の男。茶髪でジャージ姿、ワルっぽい若者という感じで、手に刺青あり。特に荒れることもなく検察が淡々と事実関係を確認していた。

事件の当日は相方と共に被害者宅最寄りの駅に行き、相方が被害者宅に出向き詐欺を試みるも失敗、指示役に報告したところ今回は諦めて解散、という流れになったが、別の現場リーダーが俺がもう一度行ってみる、ということで再チャレンジしたけどやっぱり詐欺じゃ難しかったので、隙をついて現金を奪って逃走。駅のトイレで現金を確認した後、車で別の駅まで輸送し、やっぱりその駅のトイレの個室で別の担当者と合流し、現金を受け渡した、というのが被告人が関連した当日の行動。

被告人としては、自分はあくまで詐欺グループの運び屋であって、まさか強盗に加担することになるとは思っても見なかった、という感じの主張をしたいらしい。それによって罪をいくらか軽くしようという考えかもしれない。裁判官もそのへんを割と突っ込んで聞いていた。弁護人からはたいした発言はなし。

ここでタイムオーバー。次回は4月末らしい。それまで勾留されるのか〜。

全体の印象としては、詐欺窃盗ってわりと段取りや役割がしっかりできてて、ふつうの会社員の仕事内容を聞いているような感じだった。あと、駅のトイレの個室ではいろいろ危険なことが行われているんだなぁ、、、と。

強姦致傷

事件の内容は、学校帰りの女子高生にぶつかり因縁をつけ、土下座しろなどと脅した上で公園の公衆便所に連れていき、個室に鍵をかけ拘束し、強姦致傷に至った、という事件。判決が下る回だったためか、傍聴人は50人くらいいた。

犯人は至って普通の「新卒サラリーマン、23歳」といったこざっぱりとした男。特にくたびれてもいないスーツを着ていたので、さらに新卒さが増していた。見た目も普通なんだが、ちょっと表情や目が怖かった。

で、判決は懲役8年。「懲役8年」という言葉を聞いたときは結構衝撃的だった。最長でシャバに出てくるのが31歳なんで、貴重な20代を刑務所で過ごすのかと思うとゲッソリする。

判決に対する不服も特になく5分で閉廷。短かったけど印象深かった。

暴行

強盗致傷が5分で終わったので途中から入室。被告人は老人。途中からだったので全体が見えなかったけど、たぶん病院の看護婦かだれかを殴ったとか騒いだとか、そんな感じ。

この被告人のジーサンがなかなか面倒くさいキャラで、裁判官がなんかしゃべっているのに割り込んで発言して、何度も注意を受けていた。被告人いわくそもそもこの裁判が開かれる前の2ヶ月間の勾留されたことに対して不服があるらしく、「俺は警察と検察と、裁判官にまで、みんなグルになって罠はめられている!」と主張していた。私設弁護人をつけたいけど、空白期間ができちゃうので、一時的に自分自身を弁護人として認めてくれ、とか結構いろいろ注文を付けていた。

本題になかなか入れず、じゃあ勾留について次回もう一度やりましょう、ってことで閉廷。

感想

初裁判傍聴だったが、だいたい期待していた通りの内容だった。傍聴中は携帯オフにしなきゃいけないし、あんまり咳とかくしゃみとかで音も立てれないし、だらしない格好もできないので、割と疲れた。

なんとなくまだ行ったことないし、工場見学的なノリで意外とカジュアルに行けるし、ってことで行ってみたが、いろいろ勉強できました。また行ってみたい 。

f:id:kenmaz:20130316012821j:plain

わかったこと

公衆便所の個室には危険がいっぱい