iOSDC2017でCoreMLの話をしてきました(あるいは法律相談事務所に行ってきた話)

発表内容

久しぶりに技術イベントで発表してきました。こういうちゃんとした形式のカンファレンスで話すのは、DeNA Tech Con 2016 以来だな。

資料はこちら

speakerdeck.com

 

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同僚が撮ってくれた写真

 

内容は、これまでひっそりやってたことを15分でまとめた感じです。

qiita.com

qiita.com

イベント自体の感想

非常に申し訳ないのですが、Day1は房総半島の方で非常に重要な推し事があり参加できなかったんですが、前夜祭後のスピーカーディナーと、Day2に参加しました。

スピーカーディナー

@fhisaさんはベビメタヲタってことで、そっち方面の話ですっかり話し込んでしまいましたが、時間があればもっと色んな人と話をしたかった。それくらい濃かったです。

Day2

前日の疲労もあり、昼からの参加になりましたが、会場についたら想像以上に

ってことで、会場着くなりランチを食いながらプレゼン練習して、TrackA会場に移動した後も、ハンズさんの話を聞きながらスライド見直して、さらに自分の出番が終わったらAsk the Speakerコーナーに移動して、何人かの方とお話して、という感じで、あまり他の方のトークを聞く余裕はありませんでした。

それはそうと、発表を聞いていただいた方々、終わった後声かけていただいたり、Ask the Speakerコーナーに来ていただいた方々、またTwitter等でトークについての感想を書いていただいた方々(しっかりエゴサさせていただきました)、みなさまありがとうございました!

LT

一段落ついて会場に戻ったらLT大会が始まっていて、そっちはしっかり楽しめました。ちなみに私は以下のLTに投票しました。

iosdc.jp

ってところが面白かったのでぜひスライドを公開してほしい。

クロージング

ベストスピーカーは安定の選外でしたが、最後の主催者の長谷川さんの締めが良かったです。スタッフの皆さんは非常にいい感じで、テキパキ動いてくださってました。帰り際のハイタッチも楽しそうで、ちょっとしか参加してない自分もスタッフの皆さんと一緒に謎の達成感を得ることができました。お疲れ様でした!

 

・・・

 

以下、暇な人向けの前日談。

前日談

2016年あたりから機械学習に興味持ち始めて、それこそ最初の方は数学の微分からおさらいをはじめたくらい基礎知識も何もなかったんですが(微分は高校の時やったはずだが高校時代は剣道部とバンド活動のことしか覚えてない)、コツコツ専門書など読んだり実験や実装をしたりして、そろそろ外に対してちょっとくらい話しても恥ずかしくはないかな、と考えていました。

というときに、社内Slackで同僚の方から「iOSDCやるからCfP出してねー」っていうアナウンスがあったので、15分でいいんならちょうどいいな、と思い応募しました。

CoreMLをテーマで1件だけ応募したんですが、NDAの問題もあるしきっと落選するだろうな〜と思い応募したことを忘れかけていた頃、なんと採択のメールが届いたというわけです。

NDA

採択メールが来たのは8月初旬の段階ではiOS11の詳細なリリース日は未定だったので、CoreMLやiOS11に関してはとりあえず現段階で公開されている範囲で話せば問題無いだろう、くらいで楽観的に考えていました。

しかし直前のAppleイベントでiOS11のリリースが日本時間9/20早朝と発表され、トーク内容もNDAの制約をしっかり受けることが確定しました。

さらに

というやり取りを目の当たりにし、こりゃほんとに問題ないかちょっと真面目に再チェックしなきゃなって思ったところ、以下の記事を発見しました。

d.hatena.ne.jp

1. iOS Dev Center にログインする

2. Member Center に行く

3. [Your Account] > [Legal Agreements] > [iOS Developer Program License Agreement] を開く

4. "WWDC" で検索する (-> 10.1 Information Deemed Apple Confidential が引っかかる)

5. そこを読んでお前の弁護士と相談しろ

なるほど!

ってことで、人生で初めて行ってきました、法律相談事務所に。

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弁護士と相談

行ってきたのは渋谷のタワレコの横の銀行ビルに入ってる法律相談事務所です。¥5400/30minくらいでアレコレ相談に乗ってくれるそうです。知識と経験を金で買えるなんて便利ー

相手をしてくれた弁護士は若い賢そうなお兄さんでした。終始にこやかに対応してくれました。おっさん弁護士が出てきて説教されたらどうしようと思いました。

で、スライド資料見せたり、印刷したAppleとの契約書を見せたりしながらいろいろ話しましたが、結論としてはまー大丈夫じゃね、ってことになりました。

 

しかし、AppleとのNDAよりやばいことがスライド資料の中に発見されました。

肖像権

今回のトークテーマが「アイドル顔識別アプリ」を作ろう、ってことだったので、もともとのスライドでは、某「いま会えるアイドル」の写真をふんだんに使っていました。

著作権的には、研究や実験内容の説明のためであれば、引用元をしっかり書いておけば公式サイトに転がってる写真とか使ってOK、みたいなことを大昔に聞いた覚えがあったんですが、肖像権はまた別で、こっちは結局のところ芸能事務所やらに個別に許可を得る他ない、ってことを指摘されました。

念のため所属事務所の問い合わせフォームや、マネージャーのTwitterアカウントに対して確認を取っては見たものの返答はありませんでした。

 ということで、すべての写真たちを「いらすとや」のフリー素材に差し替える作業に追われることとなったのでした。

会社にも相談

今回は個人エンジニアとして話そうかなと思っていたのですが、念のため社内の関連部署にも確認してみると、同じようなことを指摘されまして、この年にして社会人としての未熟さを実感したのでありました。

まとめ

  • iOSDCで自分が勉強してきたことを整理してみんなの前で話せてよかった
  • 資料の最初にも書きましたが「おもしろそう」「自分でもやってみようと思った」のような感想を多く聞けたので、発表のゴールは達成できた
  • 意図せず契約や肖像権についての知識をプロから学ぶことができた
  • トーク内容についていろんな人と話をさせてもらったが、モノノフは一人もいなかった。ももクロもまだまだだな!(謎の決意)